古き良き畳文化を残すために着目した“海外市場”
生活様式や住環境の変化から、年々、畳の国内需要は減少しています。そのような現状を鑑みて、日本古来の古き良き畳文化、和室文化を残していくことは畳を取り扱う一企業としての使命だと捉えています。
あらゆる取り組みを実施する中で、国内だけでなく、海外市場にも着目するようになりました。近年、海外では日本の文化が注目されるようになり、衣食住やサブカルチャーなど盛り上がりをみせています。
そのような海外の現状を目の当たりにし、本当の和文化を味わってもらいたいと考えるようになりました。
畳は海外でも取り入れられ、現地での生産も行われています。しかし、実物を見てみると、どうしても日本国内で生産しているものに比べて見劣りしてしまうことは否めません。
リーディングカンパニーである当社としては、本物の畳を味わってもらいたいと考えています。
海外の人に本物の畳に触れてもらうために
まずは畳や和室を身近に感じてもらうことが最初のステップになると考えています。衣食住に畳を掛け合わせ、普段の生活の中で和を感じることが興味関心を持つきっかけになるでしょう。
例えば、フランス・パリの中心部には、日本食レストランが複数店舗並んでいます。そしてどの店舗も賑わっているのです。その光景を見て、欧州では日本食、和食という存在が随分と浸透しているのを感じました。
日本食レストランに、畳の小上がり席や畳を使った椅子を導入するなど、すでに知られているものに加えることで、興味関心を抱きやすくなるでしょう。
実際に当社では、コースターや置き畳など、もっと手軽に畳の良さを味わえる製品の開発を進めています。
本物に触れてもらいたいという思いに変わりはありません。しかし、それだけが全てではないとも思っており、国や文化・宗教・気候や使用目的など人に合わせた商品開発に力を入れています。
その他、畳に限らず当社で取り扱っている製品でも海外向けの製品開発に取り組んでいます。
例えば、障子は畳に比べてサイズ展開が豊富です。それを活かして、世界中の窓に合わせられるようなDIY商品を生み出しました。自ら高さと幅を設定し、加工できるようになっており、和に触れられるだけでなく、日本のものづくりの面白さも体験できるようになっています。
一つの国の中でも文化や習慣は異なります。自分たちの好きなようにアレンジをしながら、日本の文化や素晴らしい技術を体験してもらえるような製品こそ、海外の人に受け入れてもらえるのではないかと期待しています。
畳や和文化の新たな魅力を発信
まずは、畳や和文化を世界に広めることを目標としています。海外における日本の漫画やアニメなどと同じような位置付けにしていけたらと考えています。
長期的には、その国に暮らす人が求めるものを提供していくことを目的としています。本物を感じたい人には本物の畳を、生活に準じたものが必要であれば手軽に使いやすいものを。
認知を広げることだけに捉われず、手に取って使ってもらうためにはどうしたらいいか、あらゆる角度から畳を再定義し、新たな魅力を国内外へ発信していきます。