INTERVIEW

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高校卒業後、最初に働いたのはお菓子屋でした。
もともと職人の仕事に興味があり、お菓子づくりの仕事を4年ほど経験しました。その後はまったく違う業界に移り、電気工事の仕事を2社経験しています。
1社目では現場代理人として、現場を管理する立場で仕事をしていました。2社目では実際に自分で工事をする側として働いていました。
振り返ってみると、お菓子づくりも電気工事も、共通しているのは「自分の手でものをつくる仕事」だったと思います。
キツタカに入社して襖製作を続けている今も、自分で手を動かして何かをつくる方が自分に合っている働き方だと感じています。
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前職の電気工事では、勤務時間がかなり長く、朝5時頃に家を出て、帰宅するのが深夜0時や1時になることもありました。
ちょうど結婚を考えていた時期でもあったので、「この働き方をずっと続けるのは難しいな」と感じるようになったんです。
仕事はもちろん大切ですが、家族との時間も大切にしたいと思い、これから先の生活に後悔のないよう、働く環境を変えようと思い、転職を決めました。自分のやりたいことを考えてみて、ものづくりに関わる仕事をしたいと思い、見つけたのがキツタカです。
畳は何となくつくり方をイメージできたのですが、襖については「そもそも、どうやってつくっているんだろう?」と思うほど、つくり方の想像もできませんでした。
とりあえず、まずは仕事内容を聞いてみようという気持ちで面接を受けたところ、なんと、その場で採用をいただいたんです。せっかくなので、やったことのないものづくりに挑戦してみようと思い、入社を決めました。
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入社してからずっと襖の製作を担当しています。
襖紙を張って丁寧かつスピーディに仕上げていくことが主な仕事です。
単純作業のように思われがちですが、実は一枚一枚、大きさや状態が違います。襖そのものの状態を見ながら張り方を変えていかないと失敗してしまいます。
製作では、きれいに仕上げることはもちろん、スピードも大切です。比較的シンプルな襖であれば、多い時には1日70〜80枚ほど製作することもあります。
お客様と直接顔を合わせる仕事ではないので、その場で「ありがとう」と言っていただけるわけではありません。
だからこそ、「今日はきれいにできた」「昨日より早く、いいものをつくれた」という自分自身の実感が、日々のモチベーションになっています。

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最初に仕事を教えていただいた親方さんから、「襖づくりは料理に近い」とよく言われていました。実際に仕事をしてみて、その意味が少しずつ分かるようになりました。
例えば、襖紙を張る時に使う糊ですが、いつも同じ濃さにすればいいわけではなく、水分量やその日の気温などによって仕上がりが変わります。
襖そのものも、一見同じように見えて、同じ状態のものはありません。大きさが少し違ったり、骨が弱っていたり、古くなって状態が悪くなっていたり…。その襖を見て、「この状態なら、どう張ればきれいに仕上がるだろう」と考えなければいけません。
この感覚は、自分で意識して作業しない限り、多分ずっと分からないままだと思います。
実際にやってみると、経験がものをいう、かなり奥の深い仕事だと感じますし、本当に生ものを扱っているみたいだなと感じます。


基本的には、毎日の試行錯誤です。
いつもと同じように張ってみたけれど、思ったような仕上がりにならなかった。
そういう時に、「なんでこうなったんだろう」と一度考えるようにしています。「このやり方だったから、こうなったのかもしれない。それなら次はこうしてみよう」といったトライアンドエラーの繰り返しです。
何も考えずに作業を続けているだけでは、なかなか身につかない仕事だと思います。
失敗したら落ち込みますし、自分自身、どちらかというと落ち込みやすい方です(笑)それでも、次に同じ失敗をしないためにはどうすればいいのかを考えて、またやってみる。
毎日毎日考えて良い仕上がりになるよう試行錯誤することは、大変な部分でもありますが、クオリティを求めて作業するときは楽しいなあと感じます。
毎日が新しい経験で、いろんなパターンの経験値を積んでいくことで、対応できることが増えていきました。
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「他人のせいにしない」ということです。
これは前職で働いていた時に、先輩から教えてもらった考え方です。
何か失敗したり、トラブルが起きたりした時に、「あの人がこうしたから」と考えるのではなく、まず「自分にできることはなかったか」を考えるようにしています。もちろん、何でも自分の責任だと思い込むという意味ではなく、自分ができたことを一度考えてみるだけで、相手との関係も変わると思っています。
今の仕事でも、例えば製作と配送の間で何か問題が起きた時、「自分の作業に原因があった可能性はないかな」と一度考えるようにしています。誠意を持って自分を見つめなおしたうえで話すと、相手も「自分の方にも何かあったかもしれない」と考えてくれることがあります。
一緒に仕事をする以上、「誰のせいか」を決めるより、「次にどうすればいいか」を考えた方がいいという考え方は今も大切にしています。

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前職と比べると、自分の時間はかなりつくりやすくなりました。
襖製作は、その日の目標となる製作枚数がある程度決まっています。もちろん仕事の状況にもよりますが、自分の仕事をきちんと終わらせることで、生活の予定を立てやすいところは自分に合っています。
なるべく定時で帰るようにしていますし、遅くても19時頃までには仕事を終えるようにしています。
前職では急な依頼で休日に仕事が入ったり、帰宅時間が大きく変わったりすることもありました。
今は自分で生活のリズムを組みやすいので、転職して良かったと感じている部分の一つです。
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休日は妻と一緒にお菓子屋さんを巡ることが多いです。
以前お菓子づくりの仕事をしていたこともあって、今でも新しいケーキなどは気になります。Instagramを見て「新しい商品が出たみたいだから行ってみよう」と、妻と買いに行くこともあります。
仕事終わりはご飯を作ったり、家のことをやっています。
あとはキックボクシングをやっていて、平日の仕事終わりにも週2回くらい通っています。お菓子を食べるために運動しているようなところもありますけど(笑)
前職では、仕事が終わる時間が読めなかったので、こうした時間をつくることがほとんどできませんでした。
今は仕事だけで一日が終わるのではなく、帰ってから自分の好きなことができることも今の働き方の良さだと思っています。

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これまでは、自分自身が襖をきれいに、早くつくれるようになることを中心に仕事をしていましたがこれからは人に教えることも覚えていかなければいけないと思っています。
京浜島店で襖製作を教えてくださった親方が他店へ異動になり、今は自分が技術を伝えていく側になりつつあります。
ただ、正直に言うと、人に教えることは得意ではありません。これまで何度か転職を経験してきたこともあり、役職について誰かを育成するという経験もほとんどありませんでした。
それでも、自分がこれからキツタカで働き続けていくのであれば、自分一人がつくれるだけではなく、身につけてきたことを周りに伝えられるようにならなければいけないなと思っています。
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他の会社で襖製作を経験したことがないので、他社と比較して「ここが一番いい」と言うことはできません。ただ、自分自身、和室のある家で育ってきたので、日本の住宅から和室や襖が少なくなっていることは少し寂しく感じます。
住宅がどんどん洋風になっていく中でも、和室を必要としている人はいて、こんな素敵な文化がなくならないように、畳や襖をつくり続けている会社で働けることには意味があると思っています。
また、京浜島店ではみんなで話し合いながら、仕事の進め方を改善することもあります。
一人だけで仕事をするのではなく、周りと協力しながら、より良いやり方を考えていける環境です。雰囲気が良いだけではなく、締めるところは締めたり、お互いに支え合って切磋琢磨できる環境は良いところだなと感じます。
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襖製作というと、工場の中で同じ作業を繰り返す仕事を想像する方もいるかもしれません。自分も入社前は、どちらかというとそういうイメージを持っていました。
でも、実際はかなり違います。
襖は一枚一枚状態が違いますし、「この襖なら、どうやって仕上げよう」と自分で考える場面がたくさんあります。こだわろうと思えば、いくらでもこだわれる仕事なので、手を動かすことが好きな人や、ものづくりが好きな人には、「自分でつくっている」という感覚をしっかり持てる仕事だと思います。
自分も襖について何も分からないところから始めましたが、経験を重ねていけば、できることは少しずつ増えていくので、毎日試行錯誤を楽しみながら学べる環境です。
自分自身も大好きなものづくりの楽しさをみなさんに伝えることができたらと思っています。これからも自分らしい働き方を探しながら、一歩ずつできることを増やしていきたいと思っています。

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